■■■ 「教会音楽」へのスタンス
「教会音楽」とは何でしょう?
「キリスト教の典礼・礼拝で発生し展開した音楽」と考えるのは妥当に思われます。讃美歌・オルガン音楽・合唱曲など、荘厳で深淵な祈りの音楽の遺産を研究し、演奏または鑑賞することは素晴らしい経験です。しかし「教会音楽」なるものの本質を考えると、それだけでは不十分と思われます。
「教会音楽とは何か?」という問いは、その原因としての礼拝のあり様を問い続け、礼拝自体の求めに呼応し続けていく音楽、今を生きる者に響き続けていく音楽を 教会が主体となり創出する営みにおいて明らかになり得ます。そしてその営みを通して個々の「教会音楽」の機能・役割・目的と言ったものが見えてくると思われます。私自身そのように「教会音楽」に取り組んでいきたいと考えています。
このHP&Blogでは私自身の教会音楽活動、具体的には讃美歌・合唱・オルガン関連を中心に、日頃の取り組み等をお分かちしていきます。
■■■ 教会音楽家・植木紀夫の自己紹介
最初に専攻したのは声楽です。「歌」から出発できたことを感謝しています。ドイツで教会音楽を学んだのはドイツ再統一から間もない1993年〜2000年でした。大学ではオルガンの先生も指揮法の先生も皆カントール・・。私も学業の傍らエスリンゲン市ツォルベルク国教会で非常勤カントールを務めました。オルガンを弾き、合唱団を指導し、牧師に協力し礼拝をコーディネート。。学業と教会での活動は、種々の演奏から実践神学まで一体でした。私の力点は「賛美歌学」とその音楽的展開にありました。修論は「歌われる神のことば −選択された例に基づくルター教会歌における言葉の響きの考察」です。指導して下さったベルンハルド・ロイベ牧師とは今も連絡を取っています。
帰国後長らく教会で音楽主事を勤めました。この間教派の牧師・教職の先生方と「讃美歌のあり方」について議論・意見交換したことは有意義なことでした。福音讃美歌協会設立(2005年設立)に向けた準備が始まったのも私が音楽主事だったこの頃です。また日本キリスト教団讃美歌委員会主催のキリスト教音楽講習会に講師として関わらせて頂くようになったのも同時期。今では講師の先生方と研究会をしています。
勿論“奏でて”いますよ。合唱練習では音楽の指示で、少々風変わりな“植木語”を連発している指揮者です。バッハ、ハイドン、モーツァルト、ブラームス、メンデルスゾーン等の宗教曲他、コール・ヴォンネ我孫子、プロジェクト・カルポス合唱団、スプラ・アンサンブル、オベリンナー・カントライ等の皆さんと演奏しました(しています)。テノール(声楽ソロ)としてはバッハ「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」「クリスマス・オラトリオ」等のエヴァンゲリストがレパートリーです。
2005年に桜美林大学に奉職、同大学音楽専修において「賛美歌学」「オラトリオ」「合唱」「合唱指導法・指揮法ゼミ」及び一般教養科目「キリスト教と芸術」等の授業を担当しています。大学のキリスト教活動、研究所活動にも関っています。『ピアノ、声楽又は管弦楽器等を主専攻に、教職課程取りながら教会音楽を履修・・』。自分で言うのも何ですが有意義でユニークなカリキュラムです。
「今日に生きる会衆歌と会衆歌唱」が私のライフワーク。「讃美歌」も「讃美歌集」もゴールではありません。それを歌い捧げる讃美、共に歌う営み、そのことに取り組み続けていくプロセスこそが「最良の捧げもの」への道程ではないかと思うのです。「礼拝と讃美」という課題に教会が取り組むための環境作り、教職者と音楽奉仕者の間の取り持ち役を自認しています!讃美歌・讃美歌集を様々な状況やプロセスにおいて使用するためのアイデアを、日夜思い巡らしています。
現在、桜美林大学芸術文化学群教授。その他役職は
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